私は感性情報処理の研究をやっていますが、最近方向性がよくわからなくなってきています。
感性情報処理というと、語のイメージの推定や、個人の嗜好の抽出、感情認識なんかがあります。
私は感情認識をやっているわけですが、最近感情認識ができて
どううれしいのかがわからなくなってきていたりします。
コンピュータが人間の感情を認識できる!といえばすごいように感じるのですが、
で?っていう。
鬱の人たちの話し相手になるロボットが作れる!とかいうストーリーが作れるかもしれませんが、
はたしてほんとにほしい?ということを考えると。
先日、この研究を使って、鬱の人たちを救う手伝いができないかと考えて調査してみました。
まぁ不要だ、という結果になりました。
イライラとかを認識して、体調管理システムとかを作ろう!というストーリーを作ってみたところで、
感情を認識する必要とかあまりなくて、生体情報だけでことたりるんじゃないか、と。
その生体情報から、人がどういう感情状態なのかまでは認識する必要がなさそう。
ロボットに感情を持たせてどうする?と考えたときに、
確かに持たせてみたいという夢はありますけど、どこまでそれが生活の役に立つのかは疑問で。
娯楽の域をなかなか抜け出せない。
娯楽ですけど、癒しにはもっていけるかもしれない。
しかし論文を書くのであれば、どの程度癒し効果が得られたか、とか具体的な数値が必要となるわけで。
論文や、研究の発表の序論で、あいまいな絵空事を語って、
あたかもこの研究は需要がありますよ、なんて話をしたくないです。
いや、しないといけないんでしょうけど。
方向性がわからなくなってきているとか書きながら、
コミュニケーションツールに感性情報処理を取り入れようとか今は考えていたりします。
もめごとが起きないようにするためのツールなんかを作ろうかな、と。
見方を変えれば、あえてもめごとを起こしにかかるためのツールにもなり得たりするわけですが。
かたやうちの准教授さんや一人の後輩からはあまり賛同は得られず、
かたやうちの助教さんからは賛同が得られ。
まぁ気ぃ使いいの人には需要あるかな、と思ってます。
こういうアプリケーション作ろう!というイメージはできてきてはいるものの、
それが賛否両論だったり、やっぱり感情って何?とかいう疑問が払しょくできていなかったりで、
ほんとにこの研究してていいのかな、と思うことが多々あります。
感情って何?というお話。
三年間悩み続けてもやっぱりわからない。
先輩もわからない。先生もわからない。私より研究歴はるかに長いにもかかわらず、です。
わからないから、研究のネタが尽きない、といえるかもしれませんが。
わからないのに、研究室内で扱う基本感情を決めようとかいう話が出ていたりします。
わからないものに基本もくそもあるか、という話になりますが、
まぁなにがしかの拠り所を作ることができれば、基本感情を定義できるんでしょうけど。
最初は私も乗り気だったのですが、最近まるっきしやる気なしです。
降りたいくらいの勢いです。
あんまり時間かけすぎるとまずいから、とにかくやっちゃおう、という流れになってきています。
とにかくやっちゃおう、で突き進んで、卒業研究がへっぽこになってしまった記憶があるので、
むやみやたらにそういうノリで突き進むのはいやなんですが・・・
まぁ准教授さんや教授がいうんだから大丈夫なんでしょうか。
准教授さんは音声専門の人なんですけど。
助教さんは感性情報処理の人(というか常識判断の人)です。
ある程度ご自分の中で描いているモデルみたいなのがある様子で、
でもどうやって検証しよう、という状態になってらっしゃる。
でも進めれば何かできるんじゃね?みたいなノリに私には見える(笑
ディスカッションしながら、感情認識の壮大なモデルができあがっていく。
はたからみてたら絵空事のように見える。
できあがれば、それはすごい研究成果となるかもしれない。
でもカスで終わるかもしれない。
カスで終わってしまった具体例として。
うちの社長が過去に出した論文、
誰も思いもよらないすごい方程式を打ち立てたそうです。
実用性ゼロ、まったくなんの役にも立たなかったので、すごいねー、で終わってしまったそうですが。
でも実際感情認識モデルが出来上がって、ロボットに組み込まれたりしたら、
結構売れるのかもしれない。
役に立つかどうかは別として。
人間見たく会話できるロボット。
ちょっとほしいかもしれない。
そしてすぐ飽きるかもしれない(汗
互いに、その日その日にあったことを話して、共感したり意見したりすることができる人間のほうが
よっぽど面白いんじゃないでしょうか。
じゃあロボットにも、Web上を泳いでもらって、いろいろ情報を収集してもらい、
人間とそのネタについて会話してもらいましょうか。
いや、ロボットじゃなくてもいいし。
しぐさとか、表情とか、その人のもってる考え方や癖とか、
いろいろもってる人間を相手にするほうが面白いんじゃないでしょうか。
人間相手にするのが怖い、という人向けだったらロボットは役に立つかもしれない。
リハビリ、カウンセリングロボット?
カウンセリングだったら人間のカウンセラーの先生が一番だっていうのは
こないだの調査でわかったこと。
証明されたわけじゃないんで、絶対とはいいきれませんが。
結局、感情認識技術をロボットに取り入れていって、最終的に人間を作りたいんでしょうか。
結局娯楽でしかないのかなぁ。
この研究は、未来をこんなすばらしいものに変えてくれますよ、といえるストーリーがほしいわけで。
なんか思いつくままタラタラ書いてみましたが。
私の中での感性情報処理って何?という点があやふやだったために、不安な気持ちになってしまうんだと思います。
そこをはっきりとさせて、私がしていく研究の立場もしっかり主張できるようにする。
先日後輩が、感性を抽出するプログラムってこの研究室にありますか?と聞いてきました。
感性の抽出というと、嗜好抽出とかじゃないかと私は思って、ちょっと意地悪く、
感性を抽出するプログラムはないけど、感情を認識するプログラムはある、と答えました。
後輩の中では、感性抽出と感情認識が一緒っていう認識なんでしょう。
抽出と認識とじゃあ全然ちゃうでしょうに、と思ったりしますが。
しかも感性と感情ですがな。
鬱期も抜けたことなので、私の研究の立場をもうちょっと煮詰めていきたいと思います。
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