Thursday, November 23, 2006

Laboratory::NestOfFools - ある意味終わっているのか(1)

ここ数ヶ月、悩みながら、答えを出せずにいる状態です。何にか、と言いますといわば進路について、ですが。学部生の頃から、ドクターに進んで研究者になるんや!と決めていましたが、近況を見て、それはどうなんだろうと思うようになってきました。

まず研究内容の目的が論文に書けない、という事態。論文が書けないという事に繋がってしまい、感性情報処理に対する意欲が削がれていってしまいました。私は、人が発するもの(テキストや音声など)から、発信者の感情を推定するための手法を研究をやっていまして。それに対する研究意欲はもちろんありますが、その技術がいったい何の役に立つのか、というストーリーをなかなか作れずにいました。助教授が以前、ちらっと提案してくれたのですが、何故か私にはしっくりきませんでした。感性情報処理を用いて、人の感情を操作する、という話で、よからぬ感情状態(怒りや鬱など)から良い状態へともっていくというもの。人でも難しいのに、そんなこと出来るでしょうか?というかコンピューターにそなことをやらすというのが、私の中でどこか許せないものがあったのかもしれません。人任せならぬ計算機任せかよ、と。あ、でも人でも難しいことを、計算機はやってのけることが出来る、というものがありますね。人には見えないものを観測、計測できますし、人より早く計算が出来る。ただし、感情を推定するとなると、人より精度よく、相手の感情を推定するとなると、人と同じマネをしているだけではとうてい無理でしょう。私の研究で作った手法は、思い切った言い方をすれば、私自身の判断基準をコンピュータにコピーするようなものです。結局は、私の手法では、感情推定精度は私未満ということになります。あぁ、一体なんの役に立つのでしょうか。感情的にものを評価しているブログや掲示板のテキストデータから、そのものに対する世間的評価でも抽出する手法を作りましょうか。しかし、すでにもう存在しているようですし(こことか)。

教授が、何を目指して感性情報処理を研究室内で研究させているのかを知りたかったのですが、結局はロボットに感情を理解させ、生成させるのが目的のようで。出来たらすごいですが、ホントに必要かどうかは微妙な線です。おもちゃに応用される程度で終わるかも?と思ってしまいます。感情を持ったマシンなんて、あったら邪魔かもしれません。キーを打ち込んでいるのに、気分が悪いから受け付けてくれない、なんてことが。そんなことしないにしても、こちらの感情を理解しようとして、あれこれやられてもウザイだけかもしれません。勘に障るだけかもしれません。

テキストなどの電子的なデータに落とされたものを使うよりも、物理的なデータを使う方が良いかもしれないと最近思います。そのことを考えると、音声データを用いた感性情報処理なんてよさげだと思ったりしますが。

No comments: